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We seek to further Thomas Hardy scholarship.

Blogpost

会員のフォーラム

「アメリカの大学院では何を教えているか/どのように学んでいるか」

 ハーディ研究を志す若い人たちには、英語圏の大学院で勉強したいと考えている人もいるだろう。しかし、残念ながらインターネットがこのように普及した現在でも、英米文学研究をするための留学についての情報を得るのは容易ではない。実際には、インターネット上にあふれている膨大な量の情報のなかから、今の自分に(とって最適ではなくても)必要な情報を抽出することは至難と言ってよい。以下は、アメリカとイギリスの大学院で学び (M.A., D. Phil.)、普段英語圏の大学のEnglish Departmentの研究と教育について関心を持ちながら注視しているブログの管理人からの若い人たちへの(独断と偏見を承知の)アドバイスである。
 英語圏大学(主にアメリカとイギリス)のEnglish Department (以下DE)の優れた特徴はまず第一に研究者が多いという点にある。大学の規模にもよるが、20人を下ることはまずない。ひとりの研究者の研究領域も複数にわたっているので、様々のテーマの授業を受講し、指導を受けることができる。アメリカの大学の大学院の特徴は体系的なカリキュラムを組んでいることも注意しておいてよい特徴である。その例としては(必修科目というのは普通存在しないのに)、たいていの大学院のDEでは、Introduction to Graduate Studies in Englishというような名前のコースを開設していて、これは修士課程の最初の学期で必修となっていることが多い。このコースを受講すればリサーチのABCが手際よく学ぶことができる。そのような例として―

Victorian Resounces on line
(ミネソタ大学ダルース校のサイト。至れり尽くせりというべきか、ヴィクトリア朝文学の研究者に資すること疑いなし。研究テーマを探すときにも役立つ。))
Introduction to Graduate Research in English
(カンザス州立大学)
Thomas Hardy Semiar
(ゲティスバーグ・カレッジの「ハーディ・セミナー」のシラバス。受講生のエッセイも掲載されている)
Thomas Hardy for GCSE English Literature
(イギリスの義務教育修了試験GCSE対策用のハーディの詩の解説)
Syllabus listing
(イギリスの大学中心のハーディを扱ったコースのシラバス)

ハーディの詩をオーディオで聞くことができるサイト

The Poetry Foundation
(英米詩人の入門サイト。ハーディでは、"A Broken Appointment"などよく知られた詩の朗読を聞くことができる。書誌情報は充実。)

PoemHunter.com
(簡単な伝記の他、Yutubeでハーディを例に取れば、324の詩を文字と音声で楽しむことができる。)


Open Library

Open Libraryのお薦め。ハーディ協会の会員のなかにはハーディのテクストについて関心を抱いている人もあるだろう。そういう人で初版を読んでみたいという人に是非アクセスしてほしいサイトがこれである。このサイトはUniversity of Illinois-Urbana Champaignの提供する19世紀イギリス小説のe-textを収めている。これだけ書いただけではよそにある同種のサイトとの違いは分からない。このサイトの優れている点は、収められているテクストがほとんど初版本で、大半はtriple-deckerであることだ。ここでリンクを張ったのはM. E. Braddonの作品が並んでいるページである。ブラッドンの作品はOxfordのWorld's Classicsで3冊、それ以外には10冊ばかりが日本では直接手に入らない出版社から出されているに過ぎない(と思う)。しかし、Open Libraryには彼女の初版本が収められている(しかも音声付きで)。もちろんハーディの作品もちゃんと読める。多くの人に活用していただきたいと思い、このブログでPRをした次第。
 イリノイ大学のアーバナ・シャンペイン校は州立大学のなかでも評価の高い大学で、図書館の蔵書数は既に1千300万冊を超えている(世界の大学図書館ではHarvardに次ぐ規模、図書館としても世界で9番目に規模が大きい)。Open Libraryに収められている初版本にはこの大学の蔵書印が押されていることから、この大学の蔵書には19世紀イギリスの稀覯本が多く含まれていることが分かる。大学所有の飛行場を有する全米で2つの大学のひとつで、それだけでもこの大学の規模の大きさは想像できる。日本人のイギリス文学研究者でこの中西部の大学で研究したという人を寡聞にして知らないが、こういう環境の大学だから、若い研究者の皆さんには記憶しておいて、在外研究をする機会があったら候補にしてほしい。自前の飛行場を持っているということはそれだけ田舎であるということでもある。これがプラスかマイナスかは個人の判断になるが。
                                       (HP管理人)


海外新潮

Claire Tomalinの講演
ハーディの伝記 (2008) を書いているトマリンがニューカースル大学でおこなった講演のレコード。
http://www.ncl.ac.uk/events/public-lectures/item.php?thomas-hardy


その他

テスのアレック殺しにヒントを与えたマーサ・ブラウンの夫殺しの舞台、"Rose Crown House"が売りに出されている。The Mail Online 2016年8月13日の記事。
→http://www.dailymail.co.uk/news/article-3738909/Killer-cottage-inspired-Thomas-Hardy-s-Tess-Idyllic-property-Rural-Dorset-home-Victorian-housewife-axed-cheating-husband.html

同じくマーサ・ブラウン関連の、こちらはThe Guardianの2016年2月19日の記事。マーサ・ブラウンの遺骨がドーセット監獄で発見されたという。
→https://www.theguardian.com/books/2016/feb/19/thomas-hardy-tess-of-the-durbervilles-bones-found-at-prison?CMP=share_btn_fb

ITVで放映中のドラマ"Broadchurch"はドーセットのブリッドポートとその周辺が舞台だが、ハーディの作品との類似点が多いとの指摘がある。The Times 12月27日の記事より(この記事は有料です)。
http://www.thetimes.co.uk/tto/arts/tv-radio/article3945470.ece

「有名人と墓石」と題するCNNの番組 (Oct. 2013)より。ハーディがロンドンのセント・パンクラス教会で何千という骸骨の処分に関わったというエピソードを紹介している。
http://edition.cnn.com/2013/10/17/travel/london-great-cemeteries/index.html?iref=allsearch


化石の登場する文学作品のトップ 10。ハーディの『青い瞳』も含まれている。『ガーディアン』の記事から。
http://www.theguardian.com/books/2012/mar/09/mullan-ten-best-fossils-literature日本ハーディ協会


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